年々増えてくる白髪を染め続けるのに疲れ、止めようとしても、すぐに美しいグレイヘアになるわけではありません。
素敵なグレイヘアにするには、きちんとケアすることが大切です。
また一言でグレイヘアといっても、黒髪や白髪、染め残りが混ざったマーブルヘアや、カラーを入れたグレイヘアなど、その種類や状態は様々です。
増えてきた白髪をデザインの一部として活かし、自分に合った方法で美しくグレイヘアデビューをしましょう。
今回は、グレイヘアのお悩みやケア方法、老け見えしないアレンジ方法をご紹介します。
テルイタカヒロ
東京・巣鴨にある、シニア世代専門の「えがお美容室」のディレクター兼ヘアスタイリスト。グレイヘアへのスイッチカラーやスタイリングに定評があり、顧客満足度の高い技術を提供している。
グレイヘアに関しては、主に以下のような悩みが挙げられます。
【1】白髪染めをやめて完全グレイヘアになるまでどうしたらいいか分からない
【2】グレイヘアにしたいけれど美容師からまだ早いと言われた
【3】グレイヘアにして本当に良いのか不安
【4】白髪染めを続けるのが辛い
それぞれの悩みのポイントと対策をお伝えします。
白髪染めをやめてから完全グレイヘアになるまで、どうしたらよいか分からないというのはよくある悩みです。
白髪染めをやめると、白・黒・茶のマーブルから始まり、完全グレイヘアになるまではかなりの時間がかかります
また白髪の生え方は顔まわりのみやもみあげのみのケースのほか、左右で分量が違うなど人によって異なり、分量も様々です。
そのため、自分の白髪の生え方や分量を個性と捉え、その変化の過程を楽しむことがおすすめです。
たとえば、ブリーチしてピンクや金色を入れてみるのも素敵ですよ。
普段通っているサロンの美容師さんに「グレイヘアにしたい」と言っても、「まだ早いです」と言われてしまうというお悩みも少なくありません。
しかし、最近はグレイヘアへの移行を親身にサポートしてくれるサロンも増えてきているため、今の自分に合ったサロンを探すのも手です。
はじめはほとんどの方が、グレイヘアにして本当に良いのかと不安を抱きます。
しかし実際にグレイヘアにすると、「長年の白髪染めで傷んでいた髪が元気になった」「以前よりも似合う色が増えた」と、満足される方は多いです。
白髪を見つけて染めれば染めるほど白髪がコンプレックスになり自分自身を苦しめ、白髪染めを続けるのが辛くなるケースもみられます。
このような場合、白髪染めをやめると心が楽になることがほとんどです。白髪染めを辛いと感じるなら、無理に続ける必要はありません。
思い切って止めるという選択肢もあると思うと、気が楽になるはずです。
美しいグレイヘアを作るために知るべきポイントは、次の4つです。
【1】日頃のヘアケアで健康な髪作りをしツヤを出す
【2】うるおい補給でぱさつき・うねりを防ぐ
【3】ブリーチやあえての染めを楽しむ
【4】グレイへア専用のヘアケア剤で黄ばみ防止
それぞれのポイントを解説します。
美しいグレイヘアを作るためには、日頃のヘアケアで健康な髪作りをし、ツヤを出すことが大切です。
ツヤの重要性は白髪に限った話ではありませんが、黒髪に比べると色が白い分、余計にダメージ感が気になるものです。
普段から丁寧にヘアケアを行うことが、ツヤのある健康な髪作りにつながります。
ヘアパックや頭皮マッサージで髪と頭皮のケアを念入りに行いましょう。
白髪は、黒髪に比べ水分保有量が少なく乾燥しやすい点が特徴です。
そのため美しいグレイヘアを保つには、トリートメントやヘアオイルでうるおいを補給して、ぱさつきやうねりを防ぐことは欠かせません。
また、髪の半乾きもぱさつきの原因の1つです。
洗髪した後は、しっかりと乾き切るまでドライヤーをかけましょう。
ブリーチや、あえての染めを楽しむという選択肢もあります。
黒髪と白髪が中途半端に交じり合うと、清潔感に欠ける印象になりかねません。
そういったときに思い切ってブリーチで色を抜いたり違う色を入れたりすると、美しいグレイヘアを作りながらおしゃれを楽しめるでしょう。
美しいグレイヘアにするためには、専用のヘアケア剤で黄ばみ防止をすることも効果的です。
白髪といっても完全な白色ではなく、何もしなければ黄ばんでいきます。
そのため、「紫シャンプー」と呼ばれるグレイヘア用のカラーシャンプーやトリートメントを使い、黄ばみを防ぐ必要があります。
髪にツヤやウェット感を与えてくれるフォームです。パーマスタイルの方にツヤ感とセット力を両方持たせるスタイリングに適しています。
毛先に柔らかい動きを出しやすく、パサつきも抑えてくれるスタイリングワックスです。
髪質の変化で髪の毛が細くなり、ペタンとしてしまう方にボリューム感のある軽い仕上がりにしてくれるシャンプーです。
髪の黄ばみを取り、髪色を白に近づけてくれるシャンプーです。美しいグレイヘアのキープに重宝します。
グレイヘアは、少しの手間でさらに素敵に見せることが可能です。
昔のヘアケア知識のままで止まっていて、最新のヘアアイロンやカーラーを使ったスタイリングを苦手とする方も多いでしょう。
しかし、きちんとしたセット技術を身につけて整えることで、グレイヘアの魅力は格段にアップします。
ここからは、グレイヘアのショートヘアとロングヘアの超簡単ヘアアレンジ術をご紹介します。
トップがぺたんとしてサイドが広がりやすいショートヘアは、トップのボリュームとツヤ出しがポイントです。
マジックカーラーを活用したり、ワンサイドアレンジにしたりすることで軽快な雰囲気に仕上げます。
トップのボリューム出しには、マジックカーラーを使いましょう。カーラーを使うのが面倒と感じる方もいるかもしれませんが、あるとないのとでは雲泥の差です。
【1】トップの前と後ろにマジックカーラーを巻きます。毛流れの向きに合わせて巻くとボリュームが出やすいため、前髪は前向きに、後ろは後ろ向きに巻いてクリップで留めてください。毛量に応じて、前髪はカーラーの本数を多めにするとよいでしょう。
【2】ふくらみやすいサイドは、140度程度のヘアアイロンで毛束を挟み、根元から横向きに引っ張ります。中程まで引っ張ったら、毛先を内巻きに巻きます。
【3】マジックカーラーを外し、手ぐしでトップをふんわりと整えて完成です。
サイドのどちらかに多めの白髪がメッシュのように生えている場合、ワンサイドに抑えることで「魅せる」グレイヘアにできます。黒髪からグレイヘアへの切り替え時のマーブルカラーを活かす際にも使えるアレンジです。
【1】前述のマジックカーラーを使ったアレンジをベースに片側だけ髪を耳にかけ、硬めのワックスで抑えます。髪が短い場合は隠しピンで押さえるとよいでしょう。
【2】サイドのマーブルカラーが綺麗に目立つように整えます。
ロングのグレイヘアは、パサついてしまいがちです。
オイルなどでしっかりと保湿し、ツヤ感をプラスしましょう。少しのアレンジによって、品の良いスタイルが完成します。
年齢を重ねると生え際が薄くなるため、ハーフアップの際にぴっちりと上げずにふんわりさせるのがポイントです。
【1】ハーフアップにしてゴムで結びます。その際、生え際部分の後れ毛を多めに残せば、生え際の薄い部分が目立ちません。
【2】ハーフアップに縛った部分を半分に割って、束を上から通して「くるりんぱ」をします。
【3】縛った部分を少しずつつまみ出し、トップのボリューム感を出すことで、頭頂部のぺったり感をカバーします。
グレイヘアのロングの場合、頭の下のほうの髪が黒いままであるのが気になる方が多いようです。
しかし、アップスタイルであれば、その部分を上手に隠せます。グレイヘアに移行中の方や和装にもぴったりのスタイルです。
【1】髪を1つにまとめ、首の付け根の部分で縛ります。黒い髪をあえて出さないようにカバーしましょう。
【2】縛った髪を2束に分け、ねじっていきます。
【3】ねじった髪をゴムで隠すようにぐるりと一周させ、ピンで留めたら完成です。
白髪の生え方や分量は人によって異なるため、グレイヘアに関するお悩みの内容も人それぞれです。
それでも、「無理な若作りはせず、自分らしくヘアデザインを楽しみたい」「気になる箇所は素敵に見せたい」といった思いは、多くの方に共通するものです。
「悩み」を「らしさ」に変える、プロの提案をご紹介します。
全体的に縮毛に近いクセがあり、広がりやすいことが主な悩みです。
トップから顔まわりは白髪率90%に対し、後頭部からえり足は白髪率60%で黒髪もそれなりにあるため、白髪と黒髪のコントラストも気になっています。
根元の白色を活かしつつ、毛先に向かって暗くなるグラデーションカラーのイメージで、中間部分にハイライトやローライトを追加するのがポイントです。
白、黒、ベージュ、グレイ、ブロンドの5色をブレンドすることで華やかさを一層アップさせ、気になるクセもスパイラルパーマでデザインに昇華させましょう。
● 鎖骨下のハイレイヤーベース
● 顔まわりは短く切り込み、バックにレイヤーでつなげる
● ミドルからトップはハイレイヤーにカットしボリューム感を
● バングはパーマで短くなることを想定し、眉にかかる長さにカット
● 全頭を11~12ミリのロッドで、すべてフォワードに5回転のスパイラル巻き
● トップ以外に3色のハイライト(A.ブリーチのみ、B.14レベルのベージュ、C.8レベルのグレイ)をウィービングにランダムで入れ、トップの白髪とアンダーの黒髪をなじませる
● 全頭を11~12ミリのロッドで、すべてフォワードに5回転のスパイラル巻き
徐々にグレイヘアに移行している状況です。
髪の量は普通ですが、細め、柔らかめの髪質のため、全体的にぺたんとしてしまい寂しい印象になりがちです。
顔まわりの白髪率は70%、バックは20%となっています。
イメージは、顔まわりのセクションカラーです。
自然にグレイヘアに移行できるよう、バングはシルバーとブロンドの2色を足して白髪になじませつつ、比較的黒髪が多く残るバックにはハイライトを入れます。
ナチュラルに白髪とつながるようにデザインします。
アンダーは刈上げ、トップにはボリュームを出しメリハリをつけ、個性もプラスさせると魅力が際立つでしょう。
● こめかみラインで分け、アンダーは3ミリから1センチのグラデーションでシザーで刈上げる
● トップはレイヤー、ミドルはグラでカットし、サイドは耳にかからない長さに
● 毛流れができるようスライドカットで間引く
● 顔まわりの白髪をなじませるため、2色(A.ブリーチ、B.シルバーのコントロールカラー)をウィービングで交互に入れる
● 黒髪が多いバックはハイライト(C.14レベルのアッシュブラウン)をウィービングでいれ、フロントと自然につながるようにデザイン
● リバースへの毛流れをつけながら乾かした後、ハードワックスを全体になじませ、バングとトップは根元から立ち上げる
白髪染めをやめてから完全グレイヘアに移行するまで、かなりの時間を要するのが一般的です。
その間、髪の毛をどう扱えばよいか分からず、完全グレイヘアへの挑戦を躊躇してしまうケースは少なくありません。
また、白髪の生え方や分量もそれぞれ異なります。
まずは普段通っている美容室で、「グレイヘアにしたい」と相談してみましょう。
その際、対応してもらうのが難しそうであれば、グレイヘアへの移行を親身にサポートしてくれるサロンを探してみることをおすすめします。
「えがお美容室」では、それぞれのお客様の髪の状態を見極め、気になる箇所をカバーしつつ、その方の美しさを引き出すグレイヘアのデザインをご提案します。
美しくグレイヘアデビューをしたいとお考えなら、ぜひ「えがお美容室」に足を運んでみてはいかがでしょうか。