ステキなヒント
16. グレイヘアに似合うファッション
脱白髪染めを考えている方も昨今多いのではないでしょうか?
グレイヘアというオプションを選ぶことが当たり前となった昨今ですが、髪は全身のバランスを決定する大事なパーツ。
黒髪をブロンドに変えるのと同じくらい印象が変わるため、実はファッションにとって大きな出来事なのですが、グレイヘアは突然変わるわけではなく徐々に移行していくため、意外と変化していることを感じにくい方が多いです。
今まで着ていたものが似合わなくなる、と感じるのは当然であり髪色に合わせたファッションを意識することが必要になってきます。
グレイヘアに似合わない服
いわゆる白髪のおばあさんに見えてしまうかどうかの分かれ目は「リラックス感」が肝となります。
全身を締め付けない=リラックス感と捉えるとわかりやすいのですが、サイズの大きなトップスやゴムのウエスト、ストレッチのきく素材の洋服は赤信号です。
グレイヘアは品の良さが決め手です。ゆったりとしたシルエットのものはどうしてもカジュアル感が強くなるため、かなり気をつけないと手を抜いた雰囲気になってしまいます。
特に気をつけて欲しいのが、シンプルなTシャツやカットソー、ウエストがゴムのリラックスしたパンツ、全身をゆったりとカバーするようなワンピースはいずれも老けを加速させるということを覚えておきましょう。
また、グレイヘアは白髪率で印象が変わります。
黒やダークブラウンの髪色に比べ、白髪が混じることでコントラストがつきづらくなります。
白髪率が80%以下の方は顔まわりがぼやけてしまうため、顔の近くに色物を持ってきたり、メイクでシャープな印象をつくらないでいると老けてみえてしまうのです。
さらに白髪率が低い方は髪色と同じトーンであるグレーはお洒落に自信がなければ避けた方が無難です。
参考までに、もし顔まわりにグレーを持ってくるのであれば、髪をまとめてヘアのグレーの印象を弱くする。もしくはリップの色味を強くするなど、他の場所でコントラストを作ってあげるとバランスが取れてきます。
グレイヘアは歳を重ねた魅力を醸し出すのに最大の武器。
グレイヘアに似合う洋服
一言でグレイヘアといっても白髪率や全体の色味で似合うものは変わります。
それぞれの特性を理解することが重要です。
<白髪率が高く、白っぽい/クリアなグレーの色味>
このタイプの方はひんやりとした明るめの淡い色味が似合います。
また、黒が似合うのもこのタイプの特徴です。
白を混ぜたようなシャーベットカラーは髪色と相まってより透明感を増しますのでとてもお勧めです。
また黒が似合うのは意外に思われるかもしれませんが、髪色が白に近い分コントラストがはっきり出るのでシャープな印象に仕上がります。
ただし、黒は以前のコラムでも書いた通り顔の皺のコントラストさえも強める色ですので、モードな雰囲気のものを選ぶことが鍵となります。
https://egao-clothing.jp/blog/7-老けて見える黒も、モードなら大丈夫/
<白髪に茶色が混じっている/ベージュっぽい色味>
茶が混じっていたり、黄みのベージュの色味の場合は、こっくりとした落ち着いた色味が似合います。
カーキやマスタードイエロー、赤味のあるダークパープルなどの色味はこの髪色との相性がよく調和が取りやすい色です。
白髪に茶色や黄色が混じる方は顔の印象がぼやけがちです。
ダークトーンの色味が輪郭をはっきりとさせてくれるので、トップスには暗めの鮮やかな色を選びましょう。
<黒髪に白髪が混じる/白髪率低め>
白髪率が低い方は、髪色よりもスキントーンに合わせて問題ありませんが、そのままではどうしても何もしてないズボラな人に見えがちです。
そのため、どこかに必ずドレスの要素をいれることを意識することで、このズボラ感を回避することができます。
例えばTシャツやスウェットであれば足元にはプリーツスカートやウールのトラウザーと合わせる。
リラックスした雰囲気のパンツには襟付きのシャツ、ざっくりと着るタイプのワンピースにはレザーシューズのような感じで、カジュアルだけにしないことがとても重要です。
ロマンスグレーは男性だけの形容詞ではありません。
女性は可愛いという形容詞に閉じ込められた時代とは違い、格好良い女性像もあって当たり前になりました。
ロマンスグレーという言葉をジョージクルーニーやピアースブロスナンといった男性にだけ当てはめるのももう時代遅れなのかもしれません。
メリルストリープやダイアンキートンのように、魅力的なグレイヘアの大人の女性を形容する言葉が出てくることを心待ちにしています。
ジョニー・カワサキ
顧客のワードローブに魅力を高めるアイテムを足すことを得意としているファッションスタイリスト。20年以上におよぶ外資系アパレル勤務で培われた知識とセンスをもとにしたアドバイスには定評がある。