ステキなヒント
4. トレンドはどのくらい取り入れるべき?
知らないうちに流行を身に纏っている
最先端のファッション、今年の流行色、街中のヒットアイテムなど誌面にはたくさんの流行をうたう文言が溢れています。ベーシックなものしか着ないし、ファッションの流行は私にはあまり関係ないと感じる方もいるでしょう。
トレンドは一部のファッションに傾倒している人だけのものなのでしょうか?
答えはノー。
実は僕たちは知らないうちに流行を身に纏っているのです。
郊外にある大型モール、ファッション、インテリアショップやカフェ、レストランが一つに集まる場所は、見たり探したりするのに効率的でもあるし宝箱をひっくり返したような高揚感があって好きな方も多いのではないでしょうか。
ファストファッションや手頃な価格帯のアパレルショップで、普段の自分とは違うスタイルの提案を見たり値打ち感のあるプライスに驚いたりするのは楽しいものです。
ただし見るのと買うのは別なので、結局はベーシックな洋服を探すことになるのですが、(これは個人的な話ですが)僕の定番はストレッチの入ったフィット感のあるTシャツで、何十年もワードローブから外れたことはありません。
どこにでもある、ありふれた物と思っていたフィット感のあるストレッチTシャツは実は今や絶滅状態で全く見当たらないのです。
世はオーバーサイズド全盛期。どのTシャツも1-2サイズ大きめの作りで、地厚のカジュアルなものばかり。サイズを下げて着ればいいのでしょうけれど、パターンがオーバーサイズドに着るために作られているので、やはりしっくりはきません。
変にサイズを変えるくらいなら、いっそのこときちんと(オーバーサイズドに)大きく着てみたら?と試着するとなんだか今っぽい雰囲気になるものだったりします。そしてまあ、これはこれでいいかと納得して買って帰っていく。このような経験をみなさんも一度はしたに違いありません。
うちの母も同様に「最近はTシャツが全部短いのよ」と吐露していましたが街中のショップを見ると確かにクロップトップばかりが目につきます。母はサイズを上げる事で、長さを調整して買ってきましたが、着たところをみると意外にも今っぽいシルエットで悪くないのです。
この事象が、意識をしない間に密かにトレンドを身に纏っている分かりやすい例なのです。
トレンドとの距離感はあなた次第
トレンドは人生を彩るエッセンス
だから何と言われればそれまでですが、それだけトレンドは身近にあるということを知ることで、流行を悪者やよく分からないものにせず、より素敵に見せるためのティップとして使うくらいの気持ちを持つと、いい関係性でいられると思います。
結局のところ、トレンドは街中で売っているものに否が応でも当たってしまうものです。それを取り入れるかどうかの判断はあなた次第だったりします。
少し高くても同じデザインやフィット感にこだわる、流行に迎合して安く済ませる、その答えはどちらも正解です。
でももし、何か新しいものを取り入れて見ようかなと思ったり、いつもとは違うものを試したい気持ちになった時はまず、ファストファッションで流行りのデザインを試着するのをお勧めします。意外にもしっくりくるかもしれません。嫌ならやめればいい。
トレンドは人生を彩るエッセンス、足しても引いてもいいのです。
ジョニー・カワサキ
顧客のワードローブに魅力を高めるアイテムを足すことを得意としているファッションスタイリスト。20年以上におよぶ外資系アパレル勤務で培われた知識とセンスをもとにしたアドバイスには定評がある。