ステキなヒント
5. 可愛いのバランス(レース&リボン)
『可愛い』は『分量』が鍵
ハローキティを幾つになっても可愛いと愛でる文化は日本のユニークなカルチャーですが、自分自身の身に付けるものとなると、少し考えなければいけないかもしれません。
大人になっても可愛いものをカワイイと素直に言えることはとても素晴らしいこと。
その純真でイノセントな心はそのままに、可愛らしいディテールと大人の女性らしいシックな服との組み合わせを意識することであなたをより魅力的に見せてくれます。
顔立ちや洋服の好みはもちろん千差万別ですが、『可愛い』に分類される甘いアイテムが好きな方は結構多いと思います。
フェミニンな装いには欠かせないレースやシフォン、リボンのディテール、小花柄。とても素敵なのですが、ともすれば年を重ねた顔とのアンバランスによって違和感が生まれてしまいます。
ではフェミニンなアイテムとはどうやって付き合っていけばいいのでしょうか?
その答えは『分量』が鍵となります。
できるだけ可愛い要素のディテールを小さくまとめることで『可愛い』が渋滞を起こさないようにします。
『可愛い』を活かして、大人の可愛いさを手に入れましょう
バランスで『可愛い』を引き立たせる
ブラウスに付帯するレースのディテールであれば、小ぶりで襟元や裾、袖に付いているくらいが理想的です。また顔からの位置が近い場所は『可愛い』の影響を受ける度合いが増すため、自分の顔からどのくらい離れていると良いのかバランスを一度探ってみるとよいでしょう。
ここで気をつけなければいけないのは、素材にも『可愛い』が隠れているということです。シフォンなどの透けるふわふわっとしたものは『可愛い』と捉えられるものが多いです。
そのため、シフォンとレースの組み合わせは『可愛い』が渋滞することになるため避けた方が無難です。
同様に、リボンと小花柄やフリルとの組み合わせも大渋滞でカオスになること間違いなしです。
ではどのくらいの割合で取り入れると丁度良いかというと頭から爪先までを100%とした時に10%未満に抑えると、シックな中に光るその控えめで可愛いディテールが大人の女性の魅力へと変わります。
大きなリボンタイのブラウス、素敵ですよね。そこに甘いマーメイドスカートを持ってきては舌が焼けるミルクシェイクのような甘さになってしまいます。
グレーやチャコールの辛口トラウザー※やタイトスカートで調整し、アクセサリーやバッグも可愛いを封印して黒のレザーにすることでリボンのディテールの甘さがより一層引き立ちます。
まるで塩味の効いたキャラメルのように。
※トラウザー【trousers】:イギリス英語でズボンのこと。スラックスは、アメリカ英語で「ゆとりがあるズボン」のことを指すのに対し、トラウザーはフォーマルなズボンのみを指すことが多くなっています。
決して可愛いを否定しているわけでも、諦めなくてはいけない訳でもありません。
ちょうどいい塩梅というものがあるということを理解することで、好きなものを着て後ろ指差されず(差されてもいい覚悟の方には関係ないですけれど笑)素敵と思ってもらえるでしょう。
お砂糖を入れすぎたケーキのような甘ったるさは卒業し、ほろ苦くも甘美なオペラのように大人には大人の可愛さを。
ジョニー・カワサキ
顧客のワードローブに魅力を高めるアイテムを足すことを得意としているファッションスタイリスト。20年以上におよぶ外資系アパレル勤務で培われた知識とセンスをもとにしたアドバイスには定評がある。