ステキなヒント
30. リネンを味方にする
麻は3シーズン使える万能な素材
麻は夏だけのものだと思っていませんか?
通気性がよく、見た目にも涼やかな麻素材はこれからやってくる晩夏から初秋にかけてとても使いやすくお洒落に見える素材です。
麻はシワがつきやすく、お洗濯が難しいといった点もありますが、選び方を工夫することで、大人の雰囲気を印象的に演出することができます。
これからの晩夏の時期に投入する麻のアイテムはどのようなものが良いのかを今回はお伝えしていきます。
重量感のある麻を選ぶ
春夏の麻のイメージは軽く、薄く、光を通すようなライトなものを想像されると思いますが、麻を使ったデザインの洋服はそれだけではありません。
例えば、麻とコットンを混紡したニットや、ウールに麻を混ぜたものなど重量感のある秋の洋服でも実は使用されることが多い素材です。
注意すべきは、軽い雰囲気のものを選ばないこと。
薄く透け感のあるパンツやシャツは夏の雰囲気を醸し出すため、秋のイメージから離れてしまうため、混紡素材で厚みや重みがあるものを選ぶと良いでしょう。
厚みのあるチャンキーなカーディガンなどは、綿だけのものよりも涼しく、ウールでは暑すぎるといった体温調節に丁度よく使えます。
また、ウールと麻の混紡されたジャケットは暑さの残る晩夏や、少し肌寒さを感じる春のシーズンにも活躍します。
ダークトーンの色味を選ぶ
麻といえば、生成りの明るいベージュが定番ですが、秋口に使える色味を考慮するとダークトーンのものを選ぶことをお勧めします。
季節感は何色を選ぶか、全体の色のイメージの軽さと重さで判断されるため、真っ白や薄いペールトーンの色味はどうしても夏を感じさせてしまいます。
黒やダークグレーといったモノトーン、辛子色や茄子紺などの秋色のカラーを選ぶのも素敵です。
他にはダークブラウン、レンガ色、オリーブグリーンのようなアースカラーのものも晩夏の雰囲気を演出します。
これは、他の素材にも当てはまることですので、ぜひ参考にしてみてください。
色の重量がシーズンのイメージを決定します
スタイリング
晩夏の麻はどのように組み合わせて着るのかが重要になります。
気をつけるポイントは、素材感を合わせること。
素材の雰囲気が融和していないとチグハグな印象になってしまいます。
これは、例えば重厚感のあるウールツイードのジャケットに、綿麻のパンツを合わせたイメージをしてみてください。
重みのある、いかにも暖かそうな羊毛と、軽さを感じる綿麻では色をダークトーンにしたとしても季節感がケンカをしてしまいます。
綿麻でダークトーンのパンツに合わせるのであれば、そのどちらかの素材で作られたトップスを合わせると無理なく融和させることができます。
まだ暑い日であれば白いカットソーと合わせて涼やかな印象にしてもいいですし、気温が落ち着いた秋口にはパープルやマスタードイエローと合わせて色で秋を感じさせることもできます。
その日の気温や、自分のイメージに合わせて調整しながら合わせてみましょう。
素材だけで季節を判断するのはナンセンス。
日々のワードローブの可能性は無限大なのです。
ジョニー・カワサキ
顧客のワードローブに魅力を高めるアイテムを足すことを得意としているファッションスタイリスト。20年以上におよぶ外資系アパレル勤務で培われた知識とセンスをもとにしたアドバイスには定評がある。