ステキなヒント
2. 体型の変化による似合う服の変化
年齢を重ねることで似合うもの、似合わないもの。
デコルテがしっかり出る深いVネックのニット、久々に着たらなんだかとても似合わない。
年齢とともに身体はゆっくりと、着実に変化していきます。
毎日お風呂に入るたびに見ているはずですが、鏡でしっかりと自分を見つめたのはいつが最後でしょうか。
なんとなく分かっていたお腹周りや下半身の緩み、削げが気になる首元周り、自分の老けを見つめることは苦しい作業です。
その反対に、手入れを欠かさなかった髪の艶、繊細な指先、少し筋肉質なふくらはぎなど自分が好きな身体のパーツを同時に見つけていくことができます。
「バストの位置が下がることで、白いシャツのボタンをもう一つ外せるのよ」と桃井かおり氏が仰っていた記憶がありますが、大人になった身体には、似合わなくなる洋服もあれば、その年齢だからこそ似合うものも生まれます。
例えば、Tシャツの厚みや素材感。若い頃には正直何を着てもあまり変わらないし、気にも留めていなかったけれど、大人になった今は、首や腕に現れる年齢のサインと対比されてTシャツの質の良さがグッと前に出てきます。艶めいたシーアイランドコットン※や、エジプト綿の良さは大人の身体にのせた時ほど魅力的に映ります。
※シーアイランドコットン【Sea Island Cotton】:カリブ海などの限られた地域で栽培されている高品質で希少な綿花の一種。非常に長い繊維を持ち、非常に強く、滑らかで光沢があるのが特長。日本では「海島綿(かいとうめん)」とも呼ばれています。
また、削げてしまうと揶揄されがちなデコルテですが、肉感が薄くなることで縦にスリットの入るスキッパーのポロニットやタートルネックが嫌味なく着れるようになります。
格好良く見える洋服の組み合わせを日々試してみましょう。
嫌いな部分は隠す、好きな部分は見せる。
とはいえ、どのように自分の体型と向き合えば良いのか路頭に迷ってしまう方が多いのも事実。そこでぜひ覚えておいてほしいことがあります。
それは、自分の嫌いな場所は自然にカバーする。好きな部分と細い部分を見せる。
たったこれだけです。
例えば、二の腕の緩みが気になってどうしても嫌なら徹底的に隠してしまえばいい。
でも身体のパーツで細い手首は必ず出せる袖丈を選ぶ。
デコルテの削げが気になるなら首の詰まったブラウスで隠してしまえばいい。
だけれども自信のあるふくらはぎが見えるタイトスカートと合わせる。
好きと嫌いを明確にすることで、隠す場所と見せる部分がクリアになります。
この二つを意識するだけで、鏡の前の自分に自信がついて身のこなしが軽くなる。
体型の変化は誰しもに訪れます。ローマは一日にしてならず、魅力的な人は間違いなく美しく、格好良く見える洋服の組み合わせを日々試して自分のバランスを探っているのです。おしゃれの道も一歩から、今日その一歩を踏み出しましょう。
ジョニー・カワサキ
顧客のワードローブに魅力を高めるアイテムを足すことを得意としているファッションスタイリスト。20年以上におよぶ外資系アパレル勤務で培われた知識とセンスをもとにしたアドバイスには定評がある。