ステキなヒント
21. 洋服とパートナーと私
二人でするお洒落、今と昔で方法が変わっています。
かつてペアルックというものが流行したことがありました。リバイバルの波に乗って再び流行の兆しがありますが、2023年は80年代をそのまま踏襲するわけではありません。
確かに流行はしているのですが、全く同じトップスやボトムスを着るのは今の空気感には合わないため、パートナーや娘、息子とのお出かけや記念写真を撮る際に、全体を調和させるテクニックを学びましょう。
ペアルック、シミラールック、リンクコーデ
現代では、ペアルックでは無くシミラールックやリンクコーデと呼ばれる合わせ方があり、こちらの方がナチュラルに雰囲気を合わせて一体感を作り出すことができます。
ペアルック
二人の人が揃いの色や柄の服を着ること
シミラールック
完全なペアルックではなく、「ふたりで、ちょっと似たテイストの服を着る」
リンクコーデ
ファッションのデザイン・カラー・素材・ブランド・アイテムなど、服装の一部をリンクさせるコーディネート
シミラールックは似てはいるけれど、異なるアイテムで全体の雰囲気を調和させることです。
例えば妻はベージュのニットとダークインディゴのデニム、夫はベージュのジャケットにライトブルーのパンツといったように、なんとなく似ているな、という感じの色合わせのパターンがシミラールックです。
リンクコーデは、同じ色や素材など同じものを部分的に使用して作るものをいいます。
妻が麻の帽子を被っていたら、夫は麻のバッグを持つ。トップスは異なる色やアイテムだがボトムスは同じ明るさの色のチノパンで合わせるなど、シミラールックよりも合わせるアイテムの濃度が高くなるのが特徴です。
気軽にできるリンクコーデ
シミラールックはなんとなくお揃いを作ることになるため、全体を調和させるためには色のバランスや雰囲気を寄せるために洋服のジャンルを揃える必要があります。
そのため意外と難易度が高く、二人で揃っているときはいいけれど一人になると垢抜けない印象になってしまったり、逆に揃った時にちぐはぐに見えてしまうこともあります。
その点、リンクコーデは色、もしくは素材を合わせるだけなので簡単に作ることができます。
素材合わせの場合は、素材の表情がわかりやすいものがお勧めです。
大人のリンクコーデの注意点
若いカップルとは違い、年齢を重ねた私たちに必要なのは「自然とそうなりました感」が生み出す大人の余裕。
そこで気をつけるべきは、トップスに同じ色や柄を持ってこないこと。
トップスに同じ色や柄を持ってくると、異なるアイテムであっても80年代のペアルックを彷彿とさせてしまい、若い頃のノスタルジーが溢れ過ぎてしまいます。
お勧めはクロスでリンクさせる方法です。
例えば同じ色や柄のアイテムを一人は帽子で上半身に。もう一人はバッグで下半身に持ってくることで並んだ時のバランスが良く、とてもナチュラルな調和が生まれます。
麻の帽子とバッグ、レザーのハンドバッグと革靴、カーキのTシャツとボトムスなど、今ワードローブにあるアイテムでも楽しむことができるでしょう。
週末のホームパーティ、夜の食事、家族での旅行など、写真を撮ったり、友人に会う瞬間は思っているよりも多いものです。
ファッションは自分を素敵に見せるものですが、パートナーや家族と一緒に楽しむことができるのも魅力の一つです。シミラールックやリンクコーデは人生の彩りをより豊かにしてくれます。
ジョニー・カワサキ
顧客のワードローブに魅力を高めるアイテムを足すことを得意としているファッションスタイリスト。20年以上におよぶ外資系アパレル勤務で培われた知識とセンスをもとにしたアドバイスには定評がある