ステキなヒント
42. 柄 on 柄の合わせ技
たまにふと、でもとても着たくなる柄物のシャツやブラウス。
強いアイテムだから、その主張を薄めるように他のアイテムは地味な色にするのが絶対のルールだと思っていませんか?
そのメソッドは間違っていませんが、時には全力でファッションを楽しむ日だってあっていいのではないでしょうか。
強いアイテムである柄と柄を組み合わせてもうまくいく、そんなヒントを今週はお伝えします。
色と柄の雰囲気を合わせる
まず気をつけなくてはいけないのが色を合わせること。そして柄の種類を合わせる、この2つが出来ているだけで高確率で失敗しにくくなります。
例えばチェックのジャケットにフラワープリントを合わせるのは至難の技。プロが合わせるのにもかなりのテクニックが必要です。
でもチェックにはチェック、フラワープリントにはフラワープリント、ペイズリーにはペイズリーと同じ種類の柄同士を合わせると、まとまりが生まれてきます。
さらに、ブルー系の柄物には、合わせる柄物にも同色のブルーの要素が入ったインディゴ、スカイブルー、パープルなどの色を選んで重ねることで、全体が一つの色でまとまります。
参考までに、茶系の場合であればブラウン、キャメルに加えてマスタードやオレンジが最適です。
赤系には、ピンクよりのローズから茶よりの赤のテラコッタまで、とにかく似た色味を選んで合わせることを意識してください。
色のトーンを合わせる
色のトーンとは色調のことで、明度と彩度で色の調子を表します。
最も彩度が高い「純色(ビビッドトーン)」を基本として、白を少しずつ加えると明度は高く、彩度は低くなっていきます。
また、黒を加えていくと明度、彩度とも低くなっていきます。
例えば同じ「赤」でも明度や彩度の高さ、低さ、つまり「トーン」によってずいぶん印象が異なります。
このトーンを合わせると、柄物同士を着ていてもまとまりが生まれるので気持ちの良い色の組み合わせに見えます。
色調には、柄物を組み合わせる際に相性が良いものとよくないものがあります。比較的、簡単に組み合わせられる色とそうでないものを書いておきますので、ぜひ参考になさってください。
柄物同士を合わせるのに適した色調
【ペールトーン/peal】
爽やかで澄んだ印象のペールトーンは、パステルカラーとも呼ばれる優しく淡い色味のことをいいます。
優しい雰囲気が柄の持つ強い印象を和らげてくれるため、柄同士を合わせるのにはとてもいい色調です。
柄と柄を合わせる時には、まずはこのトーンからトライしてみると良いでしょう。
【ダークトーン/dark】
大人っぽい円熟した印象で、渋いイメージのダークトーンは柄の持つ派手な印象を抑えながらも力強くクールなイメージに仕上がります。
レザーやアクセサリーなどの金具とも相性が良いため、大人っぽい印象で柄物同士を組み合わせたい方にはぴったりの色調です。
柄物同士を合わせるのにあまり適さない色調
【ビビッド(純色)/vivid】
元気を与えてくれる鮮やかなビビッドカラーは、純色と呼ばれる鮮やかな色味です。活気を与える色ではありますが、色そのものが強いため全体的にうるさく感じてしまい、柄物を合わせる際にはあまり向かないかもしれません。
【ダークグレイッシュトーン /dark grayish】
気品があり、クラシカルな雰囲気や高級感を感じさせるダークグレイッシュトーンですが、落ち着いた渋めの色がおばさんっぽく見えてしまう可能性があります。
ジョニー・カワサキ
顧客のワードローブに魅力を高めるアイテムを足すことを得意としているファッションスタイリスト。20年以上におよぶ外資系アパレル勤務で培われた知識とセンスをもとにしたアドバイスには定評がある。